さて今日紹介するのは『能力バトル』『独特の世界観』が魅力的なこちらの作品。
週刊少年ジャンプにて連載されている『戸塚慶文』先生のマンガです。
詳しい内容はリンク先をみて頂くとして、本記事では私が『どういう点が魅力的だったのか?』というポイントに絞って語らせて頂きます。
(読んだら是非とも感想を語り合いましょう!)
それではどうぞ。
※尚、紹介の都合上"少ない量のネタバレ"を含む場合があります。ご注意ください。
①『生き辛さの極地』:デメリット能力だらけの世界観。
『あんな事いいな。出来たら良いな。』と願うは特殊な才能。
えてして一般的な能力バトル漫画では"他人よりも優れた能力"を武器に他者と競い合う…
というのが通常ですが、しかしこの漫画では"嫌、こんな能力持ちたくない“と拒否したいリスク能力ばかりが出てきます。
例えば主人公のアンディは『不死』の能力者。
効果は単純に“死なない"だけのものでして、コレはまさに人類の夢の不老不死。
実際作中でも相当な応用を駆使して活躍するので一見目立ちませんが…
しかしこの能力、本当に“死なない"だけが取り柄です。
なんと命に伴う『痛みは変わらない』『苦痛も消えない』どころか当然『拷問でも死ねない』などなど、まるで漫画『亜人』よろしく“どれだけ苦痛を味わっても決して死ねない"という生き地獄。
※後々作中でも発覚しますが、この能力の前任者の実年齢が“能力発現後〇〇年“と開示されるのはあまりに残酷。他の能力者は(最悪の場合でも)“せめて死ねる"ので、現実社会で発現したらまず間違いなく最も“ハズレ"といえデメリット能力だと思われます。
そんな『とっくに精神が歪んでいてもおかしくない』境遇のアンディですが、(内心ではともかく)外見的には非常に快活なビカレスク。加えて作中時間が経過する度にどんどん精神が成長していくので、リアルで読んでいる私も『まぁもうちょっとだけ頑張ってみるか…!!』と勇気をもらえる名作です。
絵柄のおかげでそこまでグロテスクではないですが、ある程度スプラッタに耐性がある方には是非ともオススメの作品です。
そして。
②『自己の解釈次第』で活躍する方法を見出せる。
他にもいろんな特殊能力(作中では“ルールの否定"を体現するので『否定能力』と呼ばれます。)がありますが、実はどの能力も『工夫』や『解釈』或いは『サポートアイテム』によって“特定のシチュエーションでは誰より勝る活躍を見せる“事が可能です。
※これらは当然、ベテランであればあるほど否定能力の拡張が可能です。能力発現時は当然“大事故"が伴うので、ほぼ全ての場合で“彼らにとって予想だにしない悲劇"が起きて絶望するので大変ですね…
コレまた代表例のアンディの『死の否定』能力ですが、例えば初期段階では『幾ら傷を負っても死なない』己の特性を活かして、拳銃相手に「まっすぐ近づいて近接攻撃で敵を屠る」というまさに“脳筋"な手段で戦のルールを否定します。
(尚、撃たれた分の痛みは一切軽減はされてません。彼は本当に“死なない"だけなので。)
他にも『負傷した身体が元に戻ってしまう』事を活かして「身体を切り離して弾丸にする」とか、「首から上だけをぶん投げて(擬似的に)ワープする」などなど様々な工夫を凝らして勝利します。
(繰り返しますが、伴う苦痛や痛みは一切軽減はされてません。精々“ゆっくりと治る"が基本の能力ですから。)
また、中盤以降は『死』を『〇〇である』と解釈を変えることで能力が大幅進化。
そこは44話以降で是非とも読んで頂きたい。本当に面白いので!
他にも、ヒロインの否定能力『不運』との掛け合わせや、作中モンスターの『服』の化け物とも手を取り合う事で『火力』や『損失』を補う事にも成功。
一見『生き辛い原因』が鍛錬と工夫、協力や解釈の拡大次第で輝く場所を見つけられる…
これは現実社会でも大きな転用が出来る大事なテーマ。
いやぁ、こういう『能力バトル』が本当楽しいですね!
そして最後、一点大事なことを。
③『対象のルール』を見つけて攻略しよう!
実は作中、『敵の能力者』や『モンスター』、はたまた『能力者たちが参加させられるゲーム』にも様々な“ルール"があります。
対象範囲。発動条件。ある種の制限。参加人数や達成期限…
そういった“縛り"がまるでゲームのようで面白い。
作中には幾つかの神展開と呼ばれるシーンがありますが、これらは『不自由』あってこそ輝く場面であることを実感します。
現実社会でも多くの場合、会社や社会や業界の“理不尽"とも思えるルールがありますが…
実は私は“何故そのルールが必要になったのか“を読み解いて『ではこの一手は通るか否か?』を試すのが結構好きです。
(とはいえ“ルールの不備をつく"のはあまり好みません。それをすれば(短期的には)勝てますが、同時に遺恨も生じるので長期的には非常にリスクが高いので。なるべくなら“ルールが成立した背景"に理解と共感を示した方が敵が生じにくいので便利です。)
『敵を知り己を知れば百戦危うからず』と言うように、この漫画では『己を知る』と『敵を知る』ことによる攻略と物語性が特に良い。
『アンデットアンラック』、是非ともオススメです。
まとめ。
▶︎この作品、『生き辛さを攻略したい方』にこそオススメです!
他にも伏線回収や当時のオマージュ、テンポの良いストーリーなどまだまだ魅力は尽きないですが!
しかしこういった『自己理解』や『創意工夫』に『相互理解』といった要素が非常に好みです。
機会があれば是非とも感想を語りましょう。ではでは!